とむ

RRRのとむのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.8
知人・友人・果ては会社の人にも推しに推され、仕事が立て込んでいて行けなかった年末年始を乗り越えようやく観られました。


ストーリーに関しては他の人も散々語り尽くされてるし言わずもがなってことで良いと思うんですが、とにかく演出が素晴らしかった。
前編通してCG全開な映像が続くんだけど、
誤魔化しのためじゃなく、ちゃんとCGを使うべくして使われてるんですよね。
冒頭の「FIRE」と「WATER」の布石を回収する対峙シーンとか、もはやグラフィックの様な美しさすら感じさせる。

それ以外の使い方に関しても「何でこれが許されるんだ」って演出が違和感なく馴染んでて、むしろエモーショナルに感じ取れるのが素晴らしかったな。
「燃え盛る木に敵をぶち当てる→折れた燃える枝が飛んでいく→それを受け取って武器にして闘う」って一連の流れをワンカットでやるのマジで気が狂ってると思う(褒めてる)
兎にも角にも監督がめちゃくちゃ優秀なんだと思います。

あとナートゥのシーンで嫌味な英国紳士を圧倒して「共通の敵を倒した!やったぜ!」で終わるんじゃなくて、
その後ビームとラーマとの一騎打ちになってくのマジで良かった
後半の展開の伏線にもなってるし、なにより友情ものとして激アツい。
何なら今作であそこのシーンが一番好きかも。


インド映画あるあるなラストで唐突にダンスが始まってちょっと笑っちゃう、みたいなのも前述したナートゥのくだりがあるから効果的でむしろ感動したし、全体的に上手な作品だったな〜


唯一ストーリー的に引っかかったのは、
処刑台の拷問シーンで歌と忍耐を用いて民衆の心を動かしたビームの偉業があったのに、
ラストで「やはり暴力…暴力が全てを解決するのだ」的な展開になってしまったのが少し残念かな。
武器手にして喜んでるし。


あと、木場の劇場で観たんですけど、
エンドロールが終わった後に自然と観客席から拍手が起こってて驚きました。
公開当日とかならまだわかるけど、それだけの熱量を産む作品なんだろうな。
とむ

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