とむ

ARGYLLE/アーガイルのとむのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
4.2
めちゃくちゃおもろかった。
個人的には「キングスマン」より全然好み。

ところで本編とは逸れるけど、
マシューボーン特有の「合成に残る粗」「あえて安っぽいCG」みたいな手触りが個人的にめちゃくちゃ好みなんすよねー。
映画好きの学生が「バックトゥザ・フューチャー Part2」を改めて見て「このスケボーのシーン、俺らでも再現できるんじゃね?」と盛り上がるのに近い感じ。

それに限らず、ファーストカットのアーガイル柄のグラスの超ヨリカットから一連で見せるカットだったり、
文章の中(物語の中)に入っていく時に文字が残る演出だったり、編集的な面白さをちゃんと見せてくれるのがサイコーでした。


話は戻って、前述のキングスマンって物語前半のスパイ養成施設みたいなところのフォーマットが定型なんですよね。
これは後半の展開を考えればもちろん狙ってのことではあるんですけど、そこが個人的には退屈でハマりきれなかった。
「カメラを止めるな!」の長回しゾンビ映画パートが単純な布石として使われちゃってるのに近い感じというか。

それに対して今作は、前半から単純にスパイモノとして見ててもちゃんと面白い。
ここはやっぱ、脚本専門の人を入れた効果なのかなと思いました。
映像的な技巧も凝らされてるから見てて楽しいし、くだらないギャグみたいなのもストーリーの進行を妨げずむしろ推進力になってたりしてめちゃくちゃ楽しかった。
両親とホテルで会うシーンとかめちゃくちゃ笑った。


予告編でも入ってた煙幕立ち込める通路でのダンス×戦闘シーン
→原油プールでのスケートシーン
→船上でまさかの伏線回収と、
見せ場の釣瓶打ちみたいな終盤の展開には子供みたいにキャッキャキャッキャと喜んでしまいました。
兎にも角にも楽しい作品!


ただ、エンドロール後のおまけというか、
「例のシリーズモノ」で流行り出したああいう展望の見せ方ってちょっと萎えちゃうんですよね〜…
エンドロール入る直前の編集のキレやハズし方含め完璧だっただけに残念でした。
とむ

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