とむ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのとむのレビュー・感想・評価

3.5
オクラホマで起きた、石油の利権や財産を狙った白人たちによる先住民たちの連続殺人事件。
そこに絡むのは町一番の権力者(デニーロ)と、その甥(ディカプリオ)。

とりあえず、主体性のなさが罪になるってことを痛感させられる本作。

終盤、ディカプリオが満を辞して自我を取り戻すんだけどそのタイミングと選択がどう考えて最悪で、普通の映画ならカタルシスたり得るシーンなのに残るのは虚しさと、己の犯した罪と初めて向き合い、涙を蓄える姿だけっていう。

関係ないけど「自我を持つな」という悍ましい標語を掲げられてる某界隈が脳裏に浮かび、現代において実はそういう人って多いんだろうな…とゾワっとした。

蝿が集る演出も「クソッタレ!」っていうスコセッシ爺ちゃんの粋な演出だったりするのかな?
それか死臭を暗示させてるのか…


演出といえば、全体通してビックリするほど演出がフレッシュなのも驚いた。
噴き出した石油を浴びるように踊る若者たちのHSショットや、事件の顛末を語るの「あの」語り口だったり、ラストカットの俯瞰カットに至るまで全てが若々しく感じた。


ただやっぱ、どう考えても長すぎるぜ爺ちゃん…
ぶっちゃけ先住民たちの暮らしやネーミングが異文化すぎて見てる最中は誰が死んで誰が誰の家族でっていうのは正直わからずみてたからただひたすらしんどかったわ
スコセッシ、試写でちゃんと最後まで起きてたんかな…?
とむ

とむ