グラビティボルト

ヘルドッグスのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
1.5
か、欠片も面白くなくて流石に驚いてしまう。
この、台詞回し、美術周りの異様なダサさと音声(多分録音&編集の問題)の曖昧さ、それによる無駄に複雑な語り口ののめり込み辛さが本当に辛い。
坂口健太郎との相棒描写も、きっかけを省いてアクションで魅せたいのか、馴れ初めをしっとり魅せたいのかはっきりして欲しかった。
あとアクションも、敵がバッタバタ倒れてく画がはっきりあっても岡田准一らの殺陣の流れがイマイチはっきり映らないからアクション映画としての気持ち良さに欠ける。

潜入捜査映画としてもスリル不足。
例えばあの向かいにいた交番の同僚がドラマに絡んで板挟みになったりはしないし、一応警官にも関わらず殺人には躊躇がないからそういった呵責も無いし、ただワイルドっぽい、ヤクザっぽい、サイコっぽい連中ばかりが右往左往している印象。血肉を持った人物としてスクリーン内にいる役者を受け入れ辛い。
じゃあ陣地取りゲームの映画(アウトレイジ的な)として受け入れようとすると、ヤクザ同士の情勢がガチャガチャした音声ミキシングのせいか聞き取り辛くて受け入れられない。

あと、カラオケの場面は、視線の交換とムードの醸成でスリルを成立させるべき所を紅いドレスの彼女にやたらフォーカスして挙げ句「殺し屋」と呟くショットと音声も入るから、もう謎も不穏もスリルもあったものではない。
ここから展開するのも殺し屋だと思われる女を恫喝〜本当に殺し屋でした!〜岡田准一と坂口健太郎の二人でシバき上げて拷問!って、何処で盛り上がれと。
しかも彼女のアクションも女性アクションの典型でしかないし、じゃあサドに振り切るかと思いきや顔を殴打するショットから逃げたり中途半端。
全編こんな感じ