東京国際映画祭で一足お先に見てきました。ヴェンダースが撮る東京。外国の人日本のトイレ大好きだな、というのはちょっと思いましたが、それは置いといて。
役所広司って上手いんだか下手なんだか正直よくわかんないけど、だんだん笠智衆みたいになっていくっていうか、もう存在してるだけで映画的みたいな何者かになってきてるなというのがまずひとつ。
あと行間を味わう映画なので、寝る人は寝る、たぶん。私はヴェンダースが一瞬一瞬の光と影を定着しようとする意志みたいなものに、ちょっとグッときました。映像でしかやれないことをやっている。
なんか1人で見て噛み締めたい映画だったので1人で見てよかった。ああだこうだ人と話したくないっていうか、こういう意味だよねとか話しちゃって「ふーんこの人はそう解釈するのね」って落胆しちゃうのがこわいみたいな、そういう繊細さがある映画なので、（フィルマークスにレビュー書いといてなんだけど）公開前の映画評論家のレビューとか読まない方がいいと思う。でも優しい映画なので、そこは安心して見に行って大丈夫。
個人的に、つい先日向島EXPOで遊びに行ったスカイツリーの足元あたりの町が舞台の一部だったので、より風景にリアリティ感じられたかな。何となく心がささくれる邦画が多い中、外国の人が撮る淡々とした東京の日常に滋味を感じるってなんか不思議な体験ではありました。
