ジェニファー

グリッドマン ユニバースのジェニファーのネタバレレビュー・内容・結末

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

めちゃすごい話でしたね…

創作のキャラクターは作り手のものか、受け手のものか、という度々議題に上がる問いに一つの回答を突きつけた作品。
いや正直グリッドマンの映画でこんな話されると思ってなかったのでビビり散らかしたな。
でも確かにアニメグリッドマンは新条アカネが作り出した創作の世界が舞台で、そもそもこのシリーズの発端がトリガーがアニメーション見本市でグリッドマンの二次創作を作ったことだったのを思い返すと、このテーマを語るに相応しい舞台だったと思う。
ユウタが立花に告白するだのなんだのって話だから、文化祭の演劇のシナリオを考えるシーンで始まるのも青春ドラマを描きたいがためのお膳立てかと思うじゃないですか、その後新世紀中学生、ダイナゼノン組も合流して賑やかな日常パートが続いてお祭りだなあと思いきや、まさか「シナリオを書く(創作する)」ことがこの映画のキモだったとはね…。恐れ入りました。

裕太が異変に気付き、上位次元と触れ合う。この異変の黒幕(=作り手)は「グリッドマンは私のものだ!」と繰り返し唱える。
それに対してキャラクター達が反撃を始める。その先鋒として登場するのが、受け手の属性も持つキャラクターであり、創作の世界と現実の世界の境界にいる新条アカネ。
上手い。鳥肌めちゃくちゃ立った。

そのあとはファンサービスに次ぐファンサービス。こういうと陳腐に聞こえるが、この世界はフィクションなのだからそういうことが起こって然るべきなのだ。

創作論やファンサービスは確かに面白いが、それはあくまで映画の付加価値でしかない。この映画の最後はスタートに立ち返って、裕太と立花の話でこの映画は幕引き。きちんと映画の実の部分まで作りきるこの誠実さよ。創作論を語るに値する映画だと感じた。
ジェニファー

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