2022年最高のポップコーンムービー！めっちゃ楽しかった！『マダガスカル』『森のリトル・ギャング』『カンフー・パンダ』を経て、ドリームワークスのケレン味たっぷりアニマルエンタメが完全にネクストステージへ進んだ瞬間を目撃した感がある。
冒頭、カフェでの会話（しかも長回し）の "静" から銀行襲撃&カーチェイスの "動" へ一気になだれ込む掴みが満点。『パルプ・フィクション』から『~ カリオストロの城』へバトンが繋がれたようで、エンタメとして問答無用で惹き込まれた。
全シーン、全カット、毎秒に快楽が詰め込まれている映画。「ルパン三世」やタランティーノ作品のようなクライムの快楽と、M:Iシリーズやオーシャンズシリーズ的なケイパームービーの快楽と、往年のコンゲームものの快楽を、カワイイ動物たちがスクリーンを縦横無尽に動き回るアニメの快楽で具現化したひたすらに気持ち良い映画。一見すると近年のソニー・ピクチャーズのような、2Dチックな表現を混ぜ込んだCGもベストマッチ。こういうアニメが気持ち良いことは『~ スパイダーバース』『ミッチェル家とマシンの反乱』が証明している。
黒幕が分かりやすすぎる〜とか、然るべき罰を受けてない人がいる〜とか、突こうと思えば突ける部分はいくらでもあるけど、そんな緻密な脚本を期待する映画では全くないので全然OK。
善い行いをすると気持ち良い、という健全な性善説的メッセージの作品だけどやっていることは「目には目を」な復讐だよ？という部分に関しても自分は特に気にならずノれた。こういうジャンルの映画ってそうじゃん、と思えるくらい先行作品へのリスペクトが詰まっていたのが大きな理由かな。
見た目とステレオタイプで他者を決めつけてしまうことの怖さという話では『ズートピア』が完璧な形で映画にしてしまったので、今作は徹頭徹尾エンタメとしての気持ち良さに振り切ったのが正解だったと思う。
近年のディズニー／ピクサー作品に「メッセージ先行すぎる！」というイメージを持っている方にもおすすめしたい。いつの時代もドリームワークスは愚直に真っ直ぐに「アニメって楽しいよね！」を届けてくれる。
その他、吹替の感想
○ メインキャスト全員上手すぎ。
○ 尾上松也やチョコプラ長田は『モアナ ~』『トイ・ストーリー4』で実力を証明済みだけど、特にA.B.C-Zの河合郁人が凄かった！どんどん声優のお仕事増えてほしい！
○ 安田顕のスネークも見事。こんな声出せるんだ！onちゃんから大出世したなぁ（水曜どうでしょうで育った人間）。
○ 基本、文字は字幕で対応。必要に応じて日本語に変換するときはちゃんと元のフォントを生かして溶け込ませていた。ダサいゴシック体になっていないのが本当にありがたい。聞いてるかピクサー。
○ サム・ロックウェルやオークワフィナの声も気になるけど、もう一回観に行こうかは悩みどころ....。
