トーリターニ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのトーリターニのレビュー・感想・評価

3.8
どうやったらこんな脚本が書けるのか、どうやったらその脚本をこういった形で視覚化出来るのか。
映像体験としては素晴らしい作品だと思う。
終盤はずっとザック・スナイダーのこと考えてしまった。なんとなく伝わってほしい。

突飛に近い可笑しな行動は価値観や文化の違いとして捉えられる。だからこその"everywhere"なのだろうし、多様な登場人物たちもまさに。

とはいえ「個人主義」、「理想主義」が過ぎるような嫌いを覚えてしまった。
娘ジョイの容姿よろしく、「肥大化」した自意識に苦しむ人間にとっては毒か薬か。
間違いなく現代的な映画であり、確かに救いもあるのだが、これを良いと肯定的に受容することを恐れているような感覚が自分のどこかに付き纏ってしまった。

しかしながら間違いなく今の自分に必要な映画だったとも思う。生きるって苦しいぜ!