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すずめの戸締まりのVANのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.3
新海誠による、3・11鎮魂の物語。

3・11当時、自分は19歳で東京に住んでいた。
被災もしなかったけど、それでも自分の人生にとても大きな影響を与えた出来事だった。

メディアの向こうから流れてくる壮絶な映像。
沢山の助けを求める声。
原発の絶望的な状況。
これからこの国はどうなってしまうのかという不安。
胸が押しつぶされそうになっていた。

あれから12年。
今も大きな地震が来ると、あの日の事を思い出す。
皆んな忘れたかの様に日常を過ごしているけど、直接の被災者でなくとも、3・11が心にあり続けている人は多いと思う。
きっと新海誠もその1人だったんだな。

この作品からは3・11を題材にする覚悟が伝わってくる。
そして被災した方々、今も3・11が心に残っている日本人、何より震災後の新しい世代に向けた愛と、エールが詰まっていた。

観終わった後、死と隣り合わせの日常がとても愛しく感じる、そんな作品。
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