宮﨑駿による宮﨑駿の為の映画。
エンタメではなくアート。
観る者に考察の余地を大きく与え、それぞれの解釈を求める作品。
なんとなくジブリが好き、というだけで家族や恋人とエンタメを求めて行くと肩透かしを食らう。
逆に宮﨑の人生やスタジオジブリの歴史などを知っていれば、想像力を無限に掻き立てられる。
あーやっぱその事は後悔してんだな、とか
あの時の事、宮﨑からはそんな風に見えてたのか、とか
このキャラのこの振る舞いはあの人の暗喩だな、とか
宮﨑の極めてパーソナルな部分を曝け出して、アートに昇華させた感じかな。
ただ、彼の人生を劇中に投影しながらも、過去のトラウマ、喪失の痛み、それでも生きて行く、というスタンスは不変。
引退とは言わず、"ジブリ"と言う重荷を下ろし、もっともっと挑戦的な作品に挑んで欲しい。