業界最高権威の音楽学院で、生徒と教授として出会った天才ドラマーと超大物指揮者。師弟憎悪劇。
超絶完璧主義の教授のバンドレッスンは、怒号どころかイスやシンバルまでもが飛び交い、要求したレベルに達しない者は容赦なくヘシ折られていく。
"フルメンタルジャケット"さながらのスパルタシーンは圧巻。
J.Kシモンズの、レッスンスタジオの空気を一瞬で変える圧倒的な存在感には衝撃を受けた。
この作品が最高なのは、主人公である生徒もまたイカれてる事。とんでもなく負けず嫌いで反骨心の強い彼が、恋人を捨て、血反吐を吐き、怒鳴り散らしながら、1枠しかないドラムへ狂気じみた執念を見せる。
最後のセッションは呼吸を忘れるほどの没入感。お互い音楽に全てを捧げてきた者同士にしか理解できない境地だと思う。
愛憎の果てに、ラスト1秒で感じる全力疾走後の爽快さ。
出来るだけいい音響で観たほうがいい。