SAtone52484

生きる LIVINGのSAtone52484のネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分のために「生きる」って… 日常に打ち消され、かき消され、誰もが見失ってしまうことなんだな〜(しみじみ)。



ビル・ナイ、渋い。
まさに「お役所仕事」をやって生きてきたじいさん役ですが、自分の余命を宣告されて、「生きる」ことを考える訳です。
「死にたくない」とか「もっと生きたい」とかではなく、「生きていることを実感せずに死ぬのは嫌だ」という感覚。
つまり、死を認識してはじめて、「生きる」「生きている」ってどういうことなのかを探し始めるんですね。

かつての部下・マーガレットをみて、おそらく若かりし日の自分(や亡くなった妻)を思い出し、どうすれば彼女のように生きられるかを模索。
(おそらく)唯一の家族である息子には病気のことを打ち明けられずとも、彼女だけに打ち明ける…というのは、切ない。
これがもし、「家族のために」生きたいとか、「家族に迷惑かけたくない」って話なら、家族に話しましょう、ちゃんと… ってなるけれど、このストーリーの肝は「自分にとっての『生きる』意味」なんですよね〜。

ビル・ナイじいさんの周りの人も、彼の生き様から影響を受ける訳ですが、でも時間が経つと、また日常に打ち消され、かき消され…
それでもふと、「生きる」意味を考える瞬間がある、その時間や場所を心に持ち続けたいね。

毎日が忙しく過ぎていく人に、是非観て欲しい。
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