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生きる LIVINGのmarucoのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
5.0
山高帽の似合う塾年紳士は
良質の革靴の音鳴りさえ、
たてること無く歩いてみせる、
そんな静けさと孤高の人…、

彼はある日をきっかけに山高帽から小粋で小洒落た中折れハットに変える。どちらもとてつもなく似合う。
これが彼の新たな人生の一歩と成す。
そして私はある出来事をきっかけに
この紳士の実の息子とその悪嫁に、
自分の大便をひねり出し、
それを思いっきりコイツらの顔面に
投げつけてやりたい💨
叩きつけてやりたい💨
そんな衝動に駆られた。
ほんまに情けないヤツらです

だが死にゆく者はそれらを何もかも 
甘受し怒りも後悔も何もない…、
ただただ気高く美しい想いで仕舞う。
そんな崇高な彼に、私は私自身の稚拙さと下衆ップリを恥じた。
人は平等に何びとたりとて死ぬ。
だけどこんなにも清廉で、
ドラマチックな死に方があるだろうか…、
marucoやったら、
そうやなぁ…、
想い出のブランコに乗りながら揺れながらカーペンターズの
クロストゥーユーがええな、
きっと泣くやろな、
ちゃんと歌えたらええなぁ…、
地味な作品やった。だけど、
滋味溢れる作品やった、
私がどっかでもうしんどなっていつ召されてもえっかーと思てるときに人生のちゃんとした終まいかたを教えてくれた。

死にゆく者
遺されし者
生まれくる者、人生訓を観た。
そして美しく可憐な若き2人のめぐり逢いは👩‍❤‍👨、
最期を迎えた愛すべき上司、
かの山高帽とスティック傘の紳士、
彼の奇跡の尊い『置き土産』と言えよう💙

きっとマタアワセテクダサイ

最後に、
病に侵された彼の発する声質は哀しい。
そこには見事な臨場感があった。
どのシーンより切なく痛々しく辛い。
私はただ泣いた。


後に何度か加筆致しました。
ご容赦下さい🙇
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