このレビューはネタバレを含みます
お役所仕事。官僚主義。死んだ組織。
ウィリアムズは良き紳士という感じ。あだ名はゾンビ。推薦状を書くために部下とカフェに行っただけなのに若い女といたと悪い噂になったり。
ウィリアムズめっちゃサボってるし「映画の日なんだ」っていう誘い文句は笑ったし、結局マーガレットも行くんかいという。
癌をきっかけに人生を見つめ直す。ゾンビが息を吹き返す。30分を残して葬式のシーンを見せて、そこから時系列を遡り回想していく。寿命を知る。生きるをはじめる。
「課長の生き方に学ぼう」
「私は市民課の長として彼の意志を引き継ぐ」
この言葉が出てきただけでウィリアムズは生きていた意味があったし救われたんじゃないかな。
(結局そのあと体質が変わってなくて辟易したけど)
後世に残るわけでもない、簡単に忘れ去られるけど、あの公園の小さな満足を思い出してほしいというメッセージ、通りかかった巡査のウィリアムズさんは有名でしたという言葉にグッときた。
黒澤明の『生きる』よりも生き様にフォーカスしていてシンプルでスッキリして観やすい。まさに現代に甦らせたという作品。