Mariko

モリコーネ 映画が恋した音楽家のMarikoのレビュー・感想・評価

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公開前からずっと楽しみにしていた今作、諸事情あって、都内の上映館が激減してしまったこのタイミングに滑り込みな感じで鑑賞。

モリコーネに関しては和声学に裏付けられたメロディーの美しさが突出して語られがちだけれど、それだけではない、あまりに幅広い知識とそれが存分に生かされた楽曲の数々に「あらためて」驚かされる、なんとも濃密な2時間半。
特に前衛音楽時代については殆ど知らなかったのだけど、それあってこその引き出しの多さなのだということに気がつけたのはものすごい収穫だった。

それにしても、大袈裟なタランティーノ(笑)じゃなくてもモーツァルトやベートーヴェンと比べたくなる天才ぶりよ。作中で「映画監督やプロデューサーよりも、その映画のその場面の本質を理解する力を持っている」と評されていたのだけど、パンフルート、オーボエ、そして「あの」口笛と口琴、金床に鐘、あれがそれぞれの場面のそのキャラクターを表現するのに最適である、と瞬時に理解する、ってどんな力?!

そういったさまざまなことを、本人の語りを最大限に活かして残してくれた今作は、トルナトーレの偉業と言って間違いない。

そして、またしてもこのテの映画でいい人キャラ全開なハンス・ジマーに思わず笑みがこぼれた(この話題、何度めかwww)
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