籠

ケイコ 目を澄ませての籠のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.3
今年のベストクラスに出会う。

またボクシングかよ…と思う人は私だけでは無いはず。しかし、こんなボクシング映画を他に知らない。岸井ゆきのと松浦慎一郎によるミットにおけるパフォーマンスは芸術的でリズムの素晴らしい楽曲のようでもあり涙が止まらなくなった。16㎜で撮られた色味と質感にマッチした足立区荒川界隈の佇まいは最近仕事で車でよく通りがかるので余計に沁みる。岸井ゆきのは当然ながらあらゆる出演者の表情が良く、木村知貴も一瞬登場する。(礒部泰宏を特定するのは難しい…) 最初は誰だか分からない三浦友和に連れ添っている感じの良い人にも何やら懐かしさが込み上げてくるのだが途中で仙道敦子だと気づく。申し分のないキャスティングだった。
私の勝手な仮説とはいえ、佐藤泰志原作を映画化するとそこが頂点になってしまうジンクスを打ち破る人が出てきて本当によかった。
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