このレビューはネタバレを含みます
・歌声やBGMは排され、唯一は弟の弾き語り(短く終わる)、"音のない日常"をそんな風にありありと描いてくれる
これが本人の感じる空間であり、観客も知らず知らずのうちに感覚が同期していく。静かなるすばらしい演出
・乾いたミット音/縄跳びの足元/荒川を疾走で横断する電車/北千住駅前の雑踏/机にやや無造作に置かれる食器/ノートの紙面を走る鉛筆
などなど、街なかの機微ともいえそうな細やかな描写がよく印象に残ってくれる。これもBGMがないからかも
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・ボクシングなので、ゴング音・セコンドの声は試合中の生命線では?と思っていたけれどそうではないようだ。実際は「あと15秒」などハンドサインを決めるなどしていたのだろうか