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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

4.0
シリーズの4人の監督やキャストたちが映画のセットで再会して当時を振り返り思い出話に花を咲かせる同窓会的な作品。人気シリーズなだけあって色々な秘話が出てきて楽しいし、改めてキャストの素晴らしさとか巡り合わせを感じるような内容でもあった。

キャスティングの秘話はどれも面白くて、ジェイソン・アイザックスの話(次にフック船長を演じるから悪役は嫌だった、嫌味っぽく冷たく演じたら役にぴったりだと選ばれた)とか、イヴァナ・リンチの話(ダニエルに話しかけられても映画を観ているような気分で無言だった、それで合格したのかも)とか好きだった。
ダニエル・ラドクリフも当初は7作への出演&ロスでの撮影は人生が狂うからと一度は両親の反対に遭っていてすんなり決まったわけではなかったり、主要キャスト3人とも年が経つにつれて降板を考えた時期があったり、あの3人が揃って、欠けることなくシリーズを完遂できたのは改めて奇跡だなとも思った。

アルフォンソ・キュアロンが叫びの屋敷のシーンに思い入れがあって、人生最高のキャストで撮影できたと言っていたのも印象的。たしかに激しく揺さぶられて色々な事実が明らかになるシーンで、観ていて印象に残るシーンではあったけど、アルフォンソ・キュアロンに人生最高のキャストとまで言わせるのはすごいな…また観返してみたくなった。

キャスト同士の関係性にまつわる裏話もめちゃ良かった。ダニエル・ラドクリフが撮影当時ヘレナ・ボナム=カーターに宛てた手紙が良くて、ダジャレとか「10年早く生まれていればチャンスがあったのに」とか、2人のリアクション込みでめちゃくちゃ微笑ましかった。
エマ・ワトソンが現実ではトム・フェルトンのことが好きで、撮影のたび予定表に番号があるか探した話も微笑ましくて好きだし、死の秘宝PART2のキスシーンに関して6~7年前から知ってるスタッフに見られるのが気まずかったという話もこのシリーズならではって感じで良かった。実際に照れて吹き出しまくってNG連発してるの笑った。

撮影の合間の映像も色々見られて、賢者の石や秘密の部屋の頃はカメラが止まれば皆普通の子どもだな~って感じでほっこりした。監督たちは子ども~思春期の俳優たちをいかにコントロールするかが問われていたんだなというのも伝わってきた。マイク・ニューウェルが双子の喧嘩シーンの指導で熱が入りすぎて骨折したエピソード笑った。ハグリッド役のロビー・コルトレーンが誰より子役たちを楽しませていたという話もイメージ通りで好き。

死の秘宝PART2で、主要キャスト3人のクランクアップが魔法省で煙突に飛び込むシーンというのも知らなかった。シリーズが終わって新しい世界に飛び込んで行くとか、3人の門出を見送る的な意味が込められてるみたいで粋な計らいだなと思った。
どういう思いで演じてたのか、他のキャストや監督たちとの関係性はどうだったのか一番気になるアラン・リックマンがもういないという寂しさもあり…。