おなべ

なっちゃんの家族のおなべのレビュー・感想・評価

なっちゃんの家族(2022年製作の映画)
3.6
◉「◯◯してください…」

◉文化庁が主催する若手映画作家の発掘と育成を目的にした、『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2021』で制作された短編映画作品。

◉小学4年生のなっちゃんは、不仲な両親との同じ空間にいる事に疲れ、ふと家出を決意。両親は必死になっちゃんを探すも…。

◉《道本咲希》監督はお初にお目にかかる。演者も含め作品のリアリティはしっかり担保しつつ、子ども目線でデリケートな家族問題を丁寧に描いていた印象。余韻こそ残らないけれど、テーマも分かりやすく、1映画作品としては違和感は感じず。次に控える初の長編映画『ほなまた明日』にも期待。

◉若手は特に生きてゆくのが厳しい映画業界で、才能のある若手人材の育成を支援してくれるなんて、ありがたい。一掴みの人だけじゃなくて、もっと沢山の人がチャンスを得られるような機会が増えればもっと嬉しい。国会議員の年収諸々を減らして、こういった日本のカルチャー醸成にもっとお金を使って欲しい…。













【以下ネタバレ含む】












◉わずか10歳の少女の口から発せられる言葉にしては重すぎる。親の顔色をうかがって生きるのは疲れる。皆んなから羨ましがられても、全然心は埋まらない。そんな等身大の女の子の心情がひしひしと伝わってきた。子どもは敏感で、自分たちが想像している以上に物事をよく見て感じているという事を、親はもっと意識するべきだと思わされる、“明日は我が身”作品だった。
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