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この子は邪悪のBellのレビュー・感想・評価

この子は邪悪(2022年製作の映画)
4.0
予告編の雰囲気やタイトルからは、霊的なものが出て来るホラーな印象を受けましたが、見てみると、ホラーではなく、オカルトサスペンスほんのり社会派ストーリーという感じでした。

最初から最後まで、ずっと緊張感のある怖さがあって、とても面白かったです。

幸せな一家を襲った不幸な事故により、父は足に障害が残り、母は5年間眠ったまま。そして、妹は顔に大やけどを負い、事故以来、ずっと仮面をつけて生活している。

一人無傷だったヒロインは心に傷を負い、心を閉ざし・・・。

そんな中、「奇跡が起こった」と5年ぶりに目覚めた母が帰って来るものの、ヒロインにとっては整形手術して顔の違う母に、どうしても違和感が拭えない。

更には、あの事故で、妹は亡くなっているというネット記事を見つけ、市役所で戸籍を調べたら、やはり妹は死んでいた・・・という。

女子高生のヒロイン視点で鑑賞していたので、周りがおかしいのか、はたまた、自分の頭がおかしくなってしまったのか。。。と、とても怖い展開でした。

途中で、ある程度の真相は推理出来ましたが、サイコな玉木さんがカッコ良かったです(//▽//)

っていうか、「こんなにカッコ良くて優しいお父さんに守られてるのなら、ずっと、この偽物の世界に居ても良いかなぁ(//▽//)」と思っちゃうくらいに、ね。

そして、ラストシーンで、エンドロール後のオチを確信しましたが、でもでも、そこで初めて『この子は邪悪』というタイトルの真の意味に気付いて、ハッとなりました。

思えば、冒頭から色んな所に伏線があったのですよね。

結末を知った後に、改めて伏線をチェックしながら鑑賞するのも、また面白いのではないかと思います。



古い洋館のような精神科の診療所、母の弾く切なげなメロディのピアノ曲、たくさんのウサギ、仮面をつけたままの優しい妹。心の病の母を持つ、幼馴染の少年とのほんのり初恋テイスト。

作品中を流れる切ないような、怖いような、儚げな空気も良かったです。

オカルトな中に、「どうすれば児童虐待から子供を守ることが出来るのか」ということについても考えさせられる作品でした。
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