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名探偵コナン ハロウィンの花嫁のBellのレビュー・感想・評価

5.0
劇場版名探偵コナンの25作品目。

予告編で何度も何度も見た、安室さんの

「安室じゃない……公安警察、降谷零だ!!」

という、決め台詞。

まさに、あの台詞通りの内容だったと思います。

安室さん、めっちゃ活躍します。そして、「安室透」ではなく、最初から最後まで「降谷零」なのです。

思えば、安室さんが劇場版に登場したのは、今回を入れて3回。

『純黒の悪夢』では、冒頭から公安として登場し、でも、ベルモットやジンと共に居る時はバーボンの顔で、そして、ラストは、赤井さんに対して、公安でありながらもバーボンでもあるような顔で対峙していましたよね。

『ゼロの執行人』でも、冒頭は公安だったものの、安室透としての顔も見せつつ、最後は公安として事件解決に挑む。でも、公安としての仕事をしながらも、コナン君に見せていた顔は、安室透だったと思います。

しかし、今作『ハロウィンの花嫁』では、最初から最後まで徹底して「降谷零」でした。

バーボンでも安室透でもなく、降谷零そのものとしてコナン君に接していたように見えました。

なので。予告編で見た、あの「安室じゃない……公安警察、降谷零だ!!」という台詞は、この映画のストーリーそのものの象徴でもあるように思いましたです。(ところで、あの黒電話での壁ドンは何のために?電話、壊れちゃわない??^^;;)

……って。

安室さんというか降谷さん大好き人間な私なので、どうしても降谷さんばかりを追いかけて鑑賞してしまいがちですが、全体的に見ても今作は凄く面白かったと思います。

25作品という節目の作品に相応しい完成度で圧倒されました。

「名探偵コナン」という作品自体の歴史も、そこに登場する個々のキャラクター達の歴史も感じさせる…そんなストーリーでしたね。

「揺れる警視庁」で描かれた松田刑事殉職事件が今作の事件と深く関わってくるわけですが、それは、もっともっと時を遡って、松田刑事と警察学校時代の同期が挑んだ事件に繋がっていき、コナン世界の時間軸というか、キャラクター達それぞれの歩んできた道…歴史のようなものを感じずにはいられませんでした。

また、ストーリーや演出も少し原点回帰しているように感じました。

近年のコナン映画といえば、新しくオープンした華やかな商業施設、はたまた、昨年はリニアという凄いプロジェクトを舞台に、最終的にはそれらが大爆発するというお約束がありましたが。今回の舞台は渋谷。

ハロウィンで賑やかに、華やかに湧く街や人々は、まさにコロナ禍前の日常そのものです。

そんな私達の日常生活の中で起こる事件。

それは、私達の日常の延長線上にコナンの世界があるように感じられ、初期のコナン映画のテイストを思い出しました。

私達も、もしかしたら、ハロウィンで沸くあの街の中のひとりかもしれない…そんな風にコナン世界をとても身近に感じました。

それから、ラストのクライマックスで流れる「キミがいれば」。

「これぞ、コナン映画だ!」と初期の映画から追っかけている身としては大興奮な瞬間でもありました。



そして、映画となるとどうしても、特定のキャラクターのみが活躍しがちですが、今作は、登場人物みんな見せ場となるシーンや活躍の場があった気がします。

出番こそ少なかったですが、哀ちゃんを救う小五郎のおっちゃんは最高にカッコ良かったです。

蘭ちゃんも出番少なめでしたが、事件解決に大きく貢献した大手柄がありましたよね。

松田刑事を意識しつつも、佐藤刑事を想う高木刑事は、命の危険もある中、一人敵地へ乗り込みます。

高木刑事に発破をかける白鳥警部もカッコ良く、それでいて、小林先生からの電話にデレるところも良かったです。

ピンチだった千葉刑事と苗子ちゃんのラブなシーンも微笑ましかったですし。

もちろん、少年探偵団は毎度のことながら命懸けで大奮闘!!

最近は、原作コミックスや「ゼロの日常」で頼りないイメージの風見さんも、映画になるととっても偉そう!!

「これは要請ではない。命令です」

と、『純黒の悪夢』の時みたいに警視庁と敵対しちゃったり。でも、降谷さんを救うために、佐藤刑事達と協力しあって、最後は頑張りました!!

はたまた、過去のシーンでは、警察学校の同期達…降谷、松田、伊達、諸伏達が見事な連係プレイでビル爆破を阻止したり。

この過去シーンは最高に見応えたっぷりです。

しかも、降谷さん以外は、もう亡くなっている面々。そんな彼らが生きて警察として活躍している姿には泣けました。

もちろん、ゲストキャラ達もそれぞれ存在感たっぷりで、良いシーンがたくさんありました。

本当に、キャラクターひとりひとりが大切に描かれていたと思います。



そうそう。

今回の犯人ですが……。

推理は出来ちゃうと思います。普通に見てたら分かるかなぁと。

なので、推理要素は薄目。

今回は推理というよりサスペンスですね!



タイトルにもあるように、今回の舞台はハロウィン。

それゆえに、ちょっぴりホラーっぽい演出になのも、私のツボでした。

降谷さんの隔離シェルターも、ホラー感ありましたよね。

洋画でよく見るような感じといいますか。

でも、あの椅子はなんぞ??

サイドテーブルのアレは、お酒に見えて水だと思うのですが(一応、勤務中だし…)、なぜペットボトルでない!? ペットボトルの直飲みでええやん!?

………いやいやいやいや、全て私のツボだったので無問題です。

ああいうシチュエーション大好きなので、初めて見た時は、もう「ありがとうございました!!」って土下座して拝みたくなるくらい興奮した安室の女な私(笑)



……と、まとまりのない感想になりましたが、初期コナンテイストがありつつ、新しいキャラクター達も活躍し、また、高木刑事と佐藤刑事の恋愛の行方にも注目出来…と、色々な楽しみ方の出来る作品だったと思います。

全てのコナンファンに見て欲しい作品です!
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