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レジェンド&バタフライのBellのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
4.0
169分という長さを感じさせない面白さと、壮大なスケールで迫力のある作品でした。

本格歴史物というよりは、歴史浪漫ラブストーリーって感じだったかな。

信長に纏わる有名なエピソードを、夫婦を軸として描き、時に、オリジナルエピソードを織り込み、どんどん時代が進んでいき夫婦の軌跡となっていく〜という展開で。

良く言えば、お馴染みエピソードがどんどんやって来て、時代の経過が分かりテンポが良いのですが。
でも、冒頭の爆笑続きなほのぼのコメディタッチエピソードから、段々と狂気じみた信長のエピソードになっていく、その段階が余り描かれていなかった気がします。

なので、そこに至る過程に唐突感というかエピソードのブツ切り感を感じました。

でもでも、冒頭の純朴なうつけものが、段々と自らの背負うものに重圧を感じていく姿と、自分の中の残虐性や狂気を自覚し苦悩する姿はしっかりと描かれていたと思います。
そこに、信長の人間らしさも垣間見れてホッしました。

最初は飲めないお酒を無理して飲んで、格好つけてた彼が、途中から平気でお酒を飲めるようになっていた変化も興味深かったです。
そして、極め付けが黄金髑髏酒!!(^^;;


また、明智光秀の謀反に関してもですが、信長の色々なエピソードが、私達の良く知る信長の逸話ではなく、新しい視点、独自の解釈だったのも面白かったです。
なので、史実に基づいたドラマというより、「新しい視点から見た信長」の軌跡という感じで、歴史エンターテイメントして大いに楽しむことが出来ました。


木村拓哉さんも綾瀬はるかちゃんも、凄く素敵でした!
カッコよかったです!
ブラボーですo(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪

わたし的には、とにもかくにも帰蝶の強さに心惹かれました。
強い女性、好き(//∇//)
圧巻の生き様でした。

そして、そんな彼女の最期の姿がとても印象的だったのですよ。

信長から貰った異国の楽器を抱いて息を引き取る帰蝶……その楽器を抱く姿がまるで赤子を抱いてるように見えて、泣けました。

武芸においても男性に引けを取らぬほど強かった帰蝶ですが、死産のシーンのあとからは、その強さも影を潜めていましたよね。赤子を切望していたのだろうなぁ…と。なので、彼女の最期の姿はとても切なかったです。

そして、信長の最期もまた面白い演出だと思いました。
信長の最期に関しても、諸説ありますよね。
本能寺の焼け跡から遺体は見つからなかった…とか、実は床下に抜け穴があって生き延びていた…とか。

実は生き延びてた説は、わたし的には夢があって大好きだったので、途中からのタイタニック的な展開にはビックリして。

「これは夢落ち? それとも、新しい信長のストーリー? ファンタジー!?」

とドキドキしながら見守りました。
 
結局は信長の夢だったわけですが、浪漫溢れる「海外に生き延びた」説を、実写で見ることが出来て幸せでした。

というか、新しい信長のストーリーとして、あの船のシーンをトゥルーエンドとするのも、案外「有り」なのでは…と思ってみたり( ̄▽ ̄)笑
 
本当に、信長と帰蝶の激動の30年の生き様に圧倒される作品でした。


そうそう。
パンフレットを買うと特典で、可愛いイラストの描かれたポチ袋がもらえました。

映画を見る前は、単に、信長と帰蝶のツーショットイラストだなぁくらいにしか思わなかったのですが。
映画を見終わってから、改めてこのツーショットのイラストを見ると。。。

めちゃめちゃ泣けたのですよ〜。゚(゚´Д`゚)゚。

ほのぼのイラストなのですが、そのイラストって、ラストのあの儚い夢の中の2人でして。゚(゚´Д`゚)゚。

泣けました!!


という訳で。
久しぶりに歴史をテーマにした映画を見ましたが、とても面白かったです。
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