Bell

THE BATMAN-ザ・バットマンーのBellのレビュー・感想・評価

4.5
お馴染み、バットマンシリーズの最新作。

表の顔は、大富豪で著名な慈善家、しかし、夜になると黒いマスクと衣装とマントに身を包み、ゴッサム・シティの犯罪者達と戦うバットマンとなるブルース・ウェイン。

連続猟奇事件と、その現場に残された暗号を追っていく内に、政府の陰謀だけでなく、ブルースが幼い頃に彼の目の前で殺害された両親の秘密に辿り着き・・・。

というストーリーです。

176分と、かなり長めの作品でしたが、作品世界に没頭していたので、あまり長さは感じませんでした。

とにかく、ダークで怖かったです。

作品全体を通して、暗い闇のような画面、重苦しい音楽・・・まるで、バットマンの内面を映すかのようでした。その中で時々流れる、『アヴェ・マリア』の旋律がホラー感を高めます。

そして、権力者ばかりを狙った連続猟奇殺人事件。現場に残された暗号。

ちょっと『ゾディアック』を想起させる怖さがありました。

でも、警察が頭を抱える暗号をスラスラと解いていくバットマンが、めちゃカッコ良くて!!

ロバート・パティンソン演じるバットマンが、ダークでありつつも美しくて素敵でした。

ところで、あのナゾナゾって、ちゃんと考えたら解けるのかな?

爆弾のシーンのナゾナゾタイムアタック、私、真剣に考えてみたのですが、バットマンが瞬時に答えていっちゃう(笑)

数々の暗号を追っていく内に、バットマン・・・ブルース自身の過去、両親の過去に辿り着いていくという展開が面白かったです。

ブルースが抱える抜け出せない苦悩を、更に追い詰めてくるリドラーの手口が、これまた怖い。

でも、執事さん、助かって良かった・・・ε-(´∀`*)ホッ

そしてそして、キャットウーマンとのほんのりLOVEなテイストも良かったです。(個人的には、今回のキャットウーマンのマスクに「???」だったのですが。。。)



ラストのリドラーの独白は、少し切なくもありました。

『ジョーカー』の時も強く感じた、ゴッサム・シティにおける大きな貧富の格差。

リドラーが孤児院について触れてましたが、孤児だけでなく、弱者はとことん踏みつけられている世界。

一方、富める者や権力を持った者は、時にその弱者を食い物にしながら、どんどん豊かになって行く。

そして、弱者も、権力者も、犯罪に手を染めざるを得なっていく。

ゴッサム・シティの闇なのですね・・・。



連続殺人事件や謎解きなど、推理物テイストが強く、そして、ホラー色もあり、ミステリ好きにはタマらないストーリーでした。

美しくダークに苦悩するバットマンも素敵!!
Bell

Bell