Hana

マイ・ブロークン・マリコのHanaのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.5
幼馴染が自殺したことをニュースで知り、両親の元から遺骨を強奪し、亡き友を弔う旅に出る。生前行きたいと言っていた、まりがおか岬を目指して。

死者を偲ぶ、弔う、という行為について思いを馳せる。「あんたのこと、面倒くさいって何度も何度も思ってたはずなのに、綺麗なことしか思い出せなくなる」
かつての手紙を何度も何度も読み返し、既読のつかないライン画面を開き、いないはずの現実に幻影を重ねて、そうやって、もうこの人がこの世にはいないこと、想いを伝えることも聞くこともできないことを少しずつ認識してく過程が、とても丁寧に描写されていた。
そして最後にかけられる言葉、「もういない人に会うには、生きるしかないんじゃないでしょうか」というセリフがストンと腑に落ちる。

永野芽郁ちゃんの演技はすごく好感が持てる(とくに遺骨強奪の時の叫びは迫真に迫っていてよかった)、どうしてもどうしてもネアカが隠しきれなくて、役のリアリティがなくて勿体なかったというか…。パブリックイメージだけじゃないと思うんだよな、なんなのこの隠しきれない陽キャ感。マリコ以外にいないって感じがまるでしないんだよね。
どんなにクソ上司であっても、電話に「クソ上司」とは登録しなくない?とか、やたらに昭和な台詞回しの独り言とか、なんだか自分が視聴者であることをささやかながらも着実に感じさせる細かい演出も苦手だった。
Hana

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