くましん

苦い涙のくましんのレビュー・感想・評価

苦い涙(2022年製作の映画)
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ファスビンダーが書き監督した傑作である同作とは比較せずに鑑賞すべきかと感じました。
なぜならば、この映画はオゾン監督の脚色により主人公であるペドラフォントカントはファスビンダーをモデルにした男性に入れ替わっており、また、冒頭とエンドクレジットの最後にはファスビンダーのポートレイトが掲げられておりますし、この作中でも(架空の?)ファスビンダーが描かれていると感じられましたので、これらの事は、この映画がファスビンダー監督の自伝的フィクションであるとの宣言として受け止め得ると考えられるからです。または、ファスビンダー監督の私小説的映画としてオゾン監督が撮り上げた作品とも言い得るでしょうか。
このような仕方でリメイクする事で作品のアップデートを図る事はとても面白いですね。
もちろん良質な作品です。ファスビンダーファンでもそうで無くても楽しめますよ。
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