くましん

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのくましんのレビュー・感想・評価

-
長回しのショットを多用することによって、ある女性の労働(娼婦、主婦、ベビーシッター)を仔細に描いた映画だ。
そのショットはどのシーンも外していない。そして、劇伴は一切なく台詞もほとんど無い。この映画が発する音のほとんどは彼女の労働に伴う生活音のみだ。そのため、スクリーンを呆然と観ても楽しめるだろう。
バッドエンドであるため、抑圧された女性の悲劇というフェミニズム的な観点で評価できるのかもしれないが、そういった政治的な言説に基づいて鑑賞するので無く、まずはフィルムに焼き付けられた彼女の労働をただ無心に眺めるべきだ。
くましん

くましん