くましん

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版のくましんのレビュー・感想・評価

-
服装や髪型や、つまり、この映画に写っているあらゆるモノが日本の90年代「画」を想起してしまいまして、また、この映画のストーリーの題材も90年代のフジテレビをはじめとした映像制作者が量産してきたドラマや映画の「恋愛群像劇」でありまして、その手の映像表現が苦手な私としては冒頭15分くらいまでは少々辟易したのですが、鑑賞を進めていくうちに私はこの映画にドップリと浸かっておりました。たぶん、私にとってオールタイムベスト級の映画です。
いや、ストーリーはホントに90年代の日本のダサい映像表現どものそれではあるんですが、いわゆる「映画的感性」というやつでしょうか、「クーリンチ少年殺人事件」という映画のセンスが爆発している映画を撮ってしまうエドワードヤンが撮っているためでありましょう、やはり相当なクオリティの映画でありまして、映画というのはストーリー以外の何かで美しさが決まるのだということを改めて感じさせられてしまいました。
「映画的感性」とは何か、その事を考えるよう、この映画から宿題を与えられたように感じます。
くましん

くましん