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ザ・ホエールのshuntaのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
5.0
超肥満の中高年のある男性。歩行器がないと部屋の
なかの移動すらままならない。
心臓の発作を繰り返し、いつ死んでもおかしくない。
そんな彼が生きてきた人生、人、生きる意味を
つめこんだ、死ぬまでの1週間を描いた作品。

始めなかなか話がつかめない。
登場人物の関係性がある人物の話でつながる。
まぁ偶然出会した人物も実は必然だったり。
なかなかおもしろい。

話の中心は主人公の人生の選択が、ある人を苦しめ
ある人は幸せにした。そのある人の周りの人も
その選択に左右される。
選択がまるでオセロのように、周りの色を180度変えていく。

誰もが幸せになりたくて選択をするんだけど、
みんながみんなその選択で幸せになるわけではない。
でも大切な人には幸せであってほしいのに。
いたたまれなさや申し訳無さ、わがままさ。
どうしようもなさ…でも幸せになってほしい。
人生のもどかしさをギュッと集めています。

一見、不幸そうに見える彼も、振り回されても
大切に思ってくれる人がいたということが、
何にもましてうらやましく思えました。
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