原爆開発を世界で初めて成し遂げた科学者、
オッペンハイマーの人生を描いた作品。
唯一の被爆国である日本での公開はないのではと
言われていましたが、公開となりました。
日本の原爆被害に触れられていないのは…という
批判も事前にありましたが、私は逆にないことで
オッペンハイマーが開発成功後、苦悩にさいなまれる
様子に焦点が当てられ、よかったと思いました。
開発成功までの道のりとその後を見事に描きわけています。
理論上可能な新技術を試したいという科学者としての
気持ち…その逆で開けてはいけないパンドラの箱。
大量破壊兵器として科学が人を殺す。しかも今後
人類は常に核の恐怖におびえながら生きなければ
ならないという現実。すごく重い。
今作品は、政治的な思惑もからみ、やや難解。
ちょっと理解が追っつかなくて?のところも
ありました。
世界的な科学者の、純粋な科学への好奇心が
世界を変えてしまったこと。政治的な意味を
もってしまったこと。
そしてその責任を、権限はない彼自身が1番感じ
その技術を完成させてしまった事実の重大さに
権限のある人は気づかず、彼のみが気付いていた。
トルーマン大統領の執務室でのやりとりは
とても印象的でした。
大変、素晴らしい作品です。