淡々とした表現の数々。説明がうるさくなく、
心地良い。生きるって何かな?って作品。
私は実写の邦画が苦手。なんでかというと、
説明じみてて、ここで感動してください!ここ
泣きどころです!って言われているようで。
小説のような物語をシンプルに描くことができない
ところが嫌だなって思っていたんだけど、
本作品はそんなことない!スッキリシンプル。
でも、チクリとする出来事もあっていい。
都内、高齢でボロ屋に住む男性。
公衆トイレの清掃員をしている。朝早くから
仕事に。隅々までピカピカにする。プロ意識が
高い。趣味は読書、植物を育てること、写真。
生活ぶりはすごく地味なのだが、無駄もなく
ふとした瞬間をしっかり楽しんでいる。
いろんな人と関わっているものの、不必要な会話を
挟むことなく、受け入れて生きている。
過去にはいろいろあったことが終盤で垣間見える。
世の中、さらにさらにと求めがちだが、それぞれに
幸せがあって、社会や世間が描く幸せが、本当に
自分にとっての幸せかは分からない。
幸せを狭めていないだろうか。ただ幸せに見えて
日々の繰り返しに泣きたくなる日も…。
生きる意味を考えるって不毛だが永遠のテーマで
その意味は日々の生活の瞬間瞬間の積み重ねで
あるという、厳しくも豊かな事実を淡々と
語っています。
大変、いい作品です。私も明日から周りの小さな
幸せを大切にしたい。