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落下の解剖学のshuntaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
5.0
アカデミー賞の作品賞にノミネートされている作品。
法廷での生々しいやりとりがスリリングでおもしろい。
裁判って何のためにあるの?という話を観客の心理を
うまく操る…とてもよくできた作品。

フランスの雪深い山奥に暮らす家族。
一人息子は視力がない。
ある日、夫が家から転落して死亡する。
検死の結果、事故とも自殺とも他殺とも絞れない。
他殺なら妻しかいない。殺人の容疑がかかる。

しかし確実な証拠がない。息子の証言も変わる。
血痕を調べた専門家の意見は真っ二つ。
また夫婦仲が良くなかったという録音データも
出てくる。ただ、他殺か自殺か事故か、直接的な
証拠がない。結果、心象ばかりに…果たして。

白黒つけるための裁判なのか。
状況証拠を積み重ねて心象ばかり…。
検察側も有罪に有利な印象ばかり誘導する。
でも、同じことを弁護側に言われて、同じように
反論される。まさにブーメランで皮肉が効いてる。
すごくおもしろい。
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