みーゆー

ビリーバーズのみーゆーのレビュー・感想・評価

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.7
理想郷


とんでもねえ。
とんでもねぇし、そんなことあるか?って思うことのオンパレードだし、いっそのこと笑けてくる。のに、突然「この世界のどっかにならあるんじゃないか」と思えてくる。なぁ、先生。安住の地はどこにあんのかな。

修行と謳って毎日の更生プログラムを行うだけの日々。「見たもの」は全て報告しなきゃいけないルール。果たして彼らにはずっと何が「見えて」何が「見えなかった」んだろうね?現実?それ言っちゃおしまいか。ダメなやつとして処分されちゃう。

理想と思ってた人物像からかなり離れた瞬間、人って結局自分を正当化して謎理論かますんだな。宇野祥平の演技には今回も圧倒されてしまう。あ、そうかも…?なんて思えてきそう。こわい。噛みちぎれないよ。

人間なんにしろ全ての欲望を封じるなんて良くないんだなと思った。まあ人それぞれ限度もバランスもあるんだけど。「みんなのためにがんばりましょう」?何か現実で嫌なことがあって逃避行にトリップした人に他人を思いやれるのだろうか。

いや、むしろみんなのために頑張って生きてた人が何かの壁にぶつかって、結果として安住の地に行きたくなっちゃうのかもねえ。案外自分のために生きてる人間のほうがいつだって強欲で、自分の足で人生に立ててる。

性欲って切って話せるもんじゃないけどちょっと途中でもう良いかなと思えちゃった。ただ、曽我部恵一の歌声聞いちゃったらサニーデイの新曲に聞こえて気が付いたら幕が閉じた。

え?これ修行はじまったのでしょうか?

(^-^)