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ハッチング―孵化―のJIZEのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.6
北欧フィンランドのとある街を舞台に少女がみつけた謎の卵の孵化をきっかけに誰もがうらやむ幸福な家族の真の姿があぶり出される。北欧のヒンヤリした空気感と、題材の整合性が、完璧にとれていた。新鋭の女性監督によるホラーの長編で、フィランランド製。まず良い意味で"日常のイビツ"を浮き彫りとさせるおとぎ話のようだった。また"日常がある出来事をきっかけに崩壊への道筋をたどる"ジャンル的系譜としてもしっかり機能する。ただならぬ雰囲気演出はどのシーンも盛り込まれ孵化したそれの正体がどんどんヒロインへ接近するビジュアルてきな不穏感もよい。まさに激昂のメタファー。最期までどうなるか目が離せないタイプのスリラーとしてはココ最近で群を抜いた良作だと思う。
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