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ハッチング―孵化―のfishmuttonのネタバレレビュー・内容・結末

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

観たかったやつ。
まあ良かった。
意外性はない。

抑圧された少女が森で卵を拾い、孵ったものを育てる。アッリと名付けられたそれは、少女の黒い感情を実現するのだった・・・というホラー。

歪な家族、特に母親が一番のホラーだった。
周囲のものは全て理想の自分演出のための道具。

自分の理想を娘に強く押しつけ、気弱な娘はいつも母の顔色をうかがっている。まだ世界を知らない少女の、それが苦しかった。

母親、バレちゃったからって、不貞を喜々として娘に報告。娘は自分の思い通りの人形だと思ってるから、自分と同じ考えを持っていると勘違いしているんだろうな。そこにいるのはお前とは全く別の人間だよ。
妻のいいなりで不貞にも目を瞑る夫、それでいいのか?あんたも傷ついてるけど、子供もっと傷ついてるよ?しかも間男の下に子供ともども送り出すんかい。
弟君は母親にそんなに執着されてないのかな?弟君の言動は年相応だと思った。自分をトイレに行かせなかった姉はなんだかお咎めなしで(たぶん父は濁してうやむやにしたと思う)、自分の言い分は夢だと母に一蹴され、姉だけお土産もらって・・・。そりゃ拗ねるわな。
テロは良い人っぽいけど、なんであんな人妻と付き合ってるんだろう?しかも自分の娘の母親面までさせて。そこがわからなかった。言い寄られたにしても、相手既婚者だぜ?身綺麗だけど、見栄っ張りのエゴイストだぜ?

母親のようにはなりきれないけど、強く母親の影響を受けているティンヤの言動が皮肉だと思った。邪魔者は排除。育てたけど思ってたんと違った、あいつのせいで壊れた、もう今は消えて欲しい。身勝手だなあ。
アッリがやらなくても、母親が体操少女を排除したんじゃないだろうか?と私は想像した。そういう危ない橋は渡らないかな?

母親が異常なんだけど、その異常さに気づかず母親を愛し求める姿、母親がターゲットにならないのが私は苦しかった。

結局その後どうなっちゃうんだろう?アッリは成り代わるのだろうか?

母:キラキラ私生活動画配信。
父:建築模型作成。
ティンヤ:母の思惑で体操の大会に向けて練習中。母に従う生活のせいで友人は少ない。
マティアス:ティンヤの弟。
少女:隣家に引っ越してきた。ローサという犬を飼っている。体操が得意。ティンヤと仲良くなる。
テロ:シングルファザー。母の恋人。
赤子:テロの娘。
アッリ:卵から孵った鳥のような生物。段々姿を変えていく。
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