トラウマの克服としてコレって合ってるんだろうか……というくだりがいくつかありヒヤヒヤした。特におばちゃんたちのヤジが。でもあれくらいカラッと笑ってくれた方が楽なのかな……
あと綾瀬はるかが意外とスパルタだった。水泳のコーチは精神科医ではないから、彼女なりに考えて寄り添ってやっているのだろうけどね。プールの中で抱き合いながら泣くシーンはよかったと思う。でも彼女がなぜここまで誠実な人間で長谷川博己が信頼を置くのかわかりづらかったような気もする。コーチ側の掘り下げももう少し見たかった。重要な役回りにしては情報が少ないような。加えて彼女にも事故というトラウマがあって、それも解決されるかと思ったらそうでもなく。これから解決していくのかな。
とはいえ、人が新しいことを始めようと前進すること、トラウマを乗り越えようとすること、過去を今の自分の一部として胸に抱えながら歩いていくこと、その歩みがしっかりと描けていた気がします！そこは観てよかったと思いました。
演出も画面を2分割にしたと思ったらその境界線を乗り越えてみたり、スマホの画面を表すためにわざと小さくしたり、色々試行錯誤が見えて面白かったです。一方、ややくどいというか重いというかやりすぎと思う瞬間もちょっとありました。現実と空想が入り混じるような演出はナシではないと思いますが、タイミングと程度が大切なのかもしれないです。でも試みとしては面白く、感心しました。
