このレビューはネタバレを含みます
ルメット最高のミステリー列車
2011年3月19日 18時01分レビュー
1974年、アカデミー助演女優賞受賞、イングリットバーグマン。製作イギリス、原作アガサクリスティ。監督シドニールメット。
雑誌の記事で、推理映画ベストテンやサスペンス映画特集で必ずランクインする殿堂サスペンス映画の風格。
私の出会いは、中学の映画友達。「これは、面白いよ!絶対見て!」と力説。
中学生なのにブレイクエドワーズが良いとか、
ピーターセラーズ、アガサクリスティは面白いとか、
サスペンス大好きなT君!が教えてくれた出会い。
こんなに見るまで時間がかかっちゃいました、T君御免!DVDコレクターズエディションにて鑑賞。
うわーこんなに面白いとは、、。いやはや参りました。
オチ。全く読めません、驚きのラスト。さすがアガサクリスティ!
この複雑、密室、色んな癖ありキャラ満載の物語を繋いだシドニールメット!
さすがルメットの油が乗り切った、絶好調期の素晴らしき優雅なるモンタージュの数々!
シドニールメット、監督作品18作め。
前後はノーと言うワイロ「セルピコ」
あの時、異常な銀行たてこもり「狼達の午後」のアルパチーノど傑作二作連発期のルメットでございます。
アガサクリスティの許諾オッケイ、脚本、豪華キャストでルメットは、サスペンス映画、アガサ作品の映像で最高作品を意気込み、見事ドリカムってます!
台詞あとの過去映像の細かいフォローカットから
気品あふれる贅沢な「オリエント」の香り、衣装、調度品、着物、汽車内部すべて必見!
ゆったり進む列車の進行
ゆっくり進む事件の影
不可思議なパーソナリティの発露、所作、動き、時間軸を体感するシチュエーションサスペンスの素晴らしい空間がルメットによって広がります。列車は進みます。
登場人物は、解説するとネタバレになるんでしません。
鑑賞後メイキングを見て、
主役アルバートフィニーは、撮影時、舞台とかけもち。
移動は救急車の中でメイクをしたとか。
撮影当時30代のフィニーを50代にしたそうです。確かに老けてます。
フィニーのポアロのぺったぺった頭から、素晴らしい名探偵の鋭さがくりだされますよ!
「刑事コロンボ」のピーターフォークよろしく、名刑事、名推理の流れが、ポアロにもありました。気づいたのは、容疑者とポアロは、鏡の関係なのかなと。
ポアロは、容疑者の発言、態度を写します。
気持ちは、鋭く反映、容疑者の態度を色濃く写す感情表現を致します、必見。
生意気な人には、上から。
おびえた方には優しく。
アルバート・ポアロのラストの名推理は!「ジッチャンノナニカケテ」必見必聴です!
さて
華麗なミステリー特急、ポアロ発ルメット経由、アガサクリスティ号オリエントエクスプレス!
今あなたに最高なサスペンスを進行してくれるでしょう!是非〈シュポー〉
追記
ルメットの「丘」つながりのショーンコネリー
ハンフリーボガード妻の味あるローレンバコールが印象的
アカデミーを取ったバーグマンも最初っから、あの役柄に魅かれて出演を快諾したそうです。当初ルメットは別の役を熱心にすすめるも、あれがやりたいとバーグマン譲らなかったそうです。
願ったりの受賞なのかも。「カサブランカ」の面影がすっかりいい意味で消えてます。必見。
また、アルバートフィニーが、ルメット最新作「その土曜日7時58分。」でこれまた再会しているのが感慨深いです。内容、本作と比べると激重たいけど、。
追伸
やっぱりルメット、素晴らしいアメリカ映画のディレクターだなぁ。