真っ黒こげ太郎

ハートブルーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ハートブルー(1991年製作の映画)
5.0
彼は夢を追い、

ぼくは彼を追った。

ぼくらは、とても似てた。



First you both go out your way
 (交わるはずがなかったのに)

And the vibe is feeling strong
 (感じるものがあった)

And what's small turn to a friendship
 (少しづつ友情に変わって行って)

A friendship turn to a bond
 (友情は絆に変わった)

And that bond will never be broken
 (絆は永遠に壊せない)

The love will never get lost
 (愛情は絶対に消えない)




謎の腕っこき連中による銀行強盗が絶えないロサンゼルス。
転属してきたエリートイケメンFBI捜査官のジョニー・ユタは、ベテランオヤジ刑事のアンジェロ・パパスと共に強盗事件の調査を任される。

強盗の日焼け具合やボードに塗るワックスの痕跡、そして犯行時期が夏である事から、犯人グループがをサーファーであると推測する。
そこでジョニーは初心者サーファーに成りすまして、マッチョなカリスマリーダー、ボーディ率いるグループの仲間に入る。

潜入捜査の傍らで、深夜のデカい波に乗って最高の気分になったり、女性サーファーのタイラーと相思相愛になったりして、グループの一員として認められたジョニーだったが、彼らが巷を騒がせている強盗団である事が明らかになる。

更に、ボーディにジョニーの正体がバレてしまい、ボーディはタイラーの命と引き換えにジョニーを銀行強盗に協力させようとする…。




サーファー・グループのカリスマと、潜入捜査官の友情を描いた、青春アクション映画。

主演は「スピード」、「マトリックス」シリーズ、「ジョン・ウィック」シリーズ等のキアヌ・リーブスさん。
監督は後に「ハート・ロッカー」を手掛けるキャスリン・ビグローさん。
製作には、あのジェームズ・キャメロンさんが関わっています。



連続強盗事件を調べる為にとあるグループに潜入する若きイケメン潜入捜査官。
そのグループには、カリスマ的マッチョリーダーがいて、皆に慕われている。
若き捜査官は、次第にカリスマ的マッチョリーダーの魅力に惹かれていく。
その中でグループ内にいる女性と恋人になる。
だが、最終的に捜査官だという事がバレてしまう…。

このあらすじを見て何処かで見覚えがある人もいると思うが、実は本作はあの人気映画「ワイルド・スピード」1作目の元ネタの一つなのだ。

厳密には、後に「ワイルド・スピード」シリーズの主演俳優となるポール・ウォーカーさんが、「デイズ・オブ・サンダー」と「フェイク(1997)」を合わせた映画を提案し、それに制作者さんや監督さんがこの「ハートブルー」の要素を加えて生まれたのが「ワイルド・スピード」の1作目なのだ。
(wikipedia調べ。)

それだけあって、本作のプロットは殆ど「ワイルド・スピード」そのまんまだったりする。

潜入捜査官が正義感の強いイケメン兄ちゃんで、グループのマッチョなカリスマ・リーダーが哲学を持ち皆から慕われているというキャラ設定はそのまんまだし、捜査官がグループ内の女性と恋したり、犯罪者仲間同士がパーティしたり、潜入捜査官である事がバレてヤバくなる展開や、そしてラストの友情展開も殆ど同じ!
ぶっちゃけた話、今作の「サーフィン、スカイダイビング」要素を「ストリート・レース」に置き換えれば、ほぼそのまんまだ!!!!wwww

捜査官役の人が今でこそ名優だが当時はイケメンアイドル俳優扱いだったりする点も今となっては似ているのかもしれない。
(しかも今作が日本公開されたのが1991年の10月21日で、「ワイルド・スピード」の日本公開が丁度10年後の2001年の10月20日なのも何処か運命を感じる…)



という訳で、ワイルド・スピード追いかけてる今だからこそレビューすべきだと思い立ったのでDVDを引っ張り出して再鑑賞たが、やっぱり面白かった!!!
制作にキャメロンさんが関わっているからか知らんが(おいおい)、俺ごときが(爆)見た程度では特に欠点の見当たらん傑作だった。w


まず主人公の2人が超素敵。
まだまだ若かりし頃のフレッシュな輝きを放つキアヌ・リーヴスさんは今見ると逆に新鮮だし、カリスマリーダーを演じたパトリック・スウェイジさんのタフガイっぷりも堪らない。
後半で見せるゲイリー・ビジーさんの熱血オヤジっぷりも好き。

見どころとなるアクションはそこまで数は多くないが良く出来ていて、強盗団達との銃撃戦やカーチェイス、サーフィンにスカイダイビング等、アクションのクオリティはどれも高し。
特に豪快なスカイダイビング描写は殆どが役者が自ら飛んだのもあって凄い迫力!!!

メインとなるドラマ展開もしっかり面白く、正義と友情で揺れ動く潜入捜査官の姿や、捜査官であることがバレてお互いに緊張感の出来るシリアス展開も面白く見れる。
アクションとも連動もしっかりしていてドラマと共に終始楽しめる。
お話は上記の通り、「ワイルド・スピード」一作目を知ってれば既視感を覚えるような話ではあるが、やはりこういう男同士の絆には惹かれるものがありますね。
まぁ、今作は「ワイスピ」に比べると、後期ナンバリング以上に主要キャラの死者出まくりでシビアなんだけどね。
(ボーディもジョニーを仲間として引き入れる為とはいえ、後半でとんでもない事をしでかすし。)
だが、そうした激しい愛憎劇があった分、最後の場面は「ワイスピ」以上に沁みる物になっている。
まさに漢2人の青春友情物語、素晴らしかったです。


ドラマとそれを取り巻く人間模様も愉快だし、それを繋ぐスポーツアクションも楽しいと、頭から尻尾まで愉快な青春アクションの傑作と言っても過言じゃないですね。
これは「ワイスピ」制作陣が参考にしたのも頷けるでしょう。
(パクリじゃないのかって?それを言ったら「ダイ・ハード」や「ゾンビ(1978)」なんか腐るほど真似されてるぞw)


アウトドア派な人やインドア派に関係なく楽しめる、青春系アクション物のオススメの逸品です!!!