知

今夜、世界からこの恋が消えてもの知のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

透が最後どうなってしまうのか、結末はある程度予想できた。が、泣けた。
結末がどうであれ、透と真織2人が過した時間と、透・真織・泉・早苗のそれぞれを想う気持ちを、丁寧に描いているため心がギュッと苦しくなった。

個人的涙ポイントは2つ。

透が真織に教えた「手続き記憶」。それは寝ると忘れてしまう真織に生きる意味を与え、そして覚えていられないはずの透を記憶する手段となった。この一連の流れに涙。

花火のシーン。透と真織の2人が付き合う上でのルール「放課後になるまでお互い話しかけないこと」「連絡のやりとりはできるだけ簡潔にすること」そして「本気で好きにならないこと」。その3つ目が守れないと告白した真織に透が言った『僕はもう破ってるよ』の一言。はい、涙。

透と真織を演じた道枝駿佑と福本莉子は、次世代を担う若手俳優で、透明感が半端なかった。が、今回の映画で注目すべき俳優は、2人の友人泉を演じた古川琴音だと思う。2人のための日記を改ざんした時の涙や、この改ざんを真織に打ち明けた時の涙など、2人よりシーンが少ないのに重要すぎるシーンばかりだったため、本当にすごいと思った。
あとは、松本穂香の喋り方が良かった。一言一言を丁寧にゆっくり話す姿が、小説家であり透の姉である、早苗を表していたと思う。大切な言葉を相手に伝えようという気持ちがわかる話し方が、すごく印象に残った。
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