このレビューはネタバレを含みます
「絶対に見つめるな」
映画前半は、映画『ジョーズ』のよう。“生身の人間では敵わない存在がそこにいる”という恐怖を、そのものの姿でははっきり見せるのではなく、急な轟音や静けさによる緊張感で表したり、対象の一部をチラ見せさせたりして、想像を掻き立てている。不気味さと恐怖がどんどん煽られる。
映画の後半は、ゲーム『モンスターハンター』でラスボスと対峙してるときを思い出した。撮影のために団結する仲間も、巨大な敵に立ち向かうOJの勇姿も、それに合った鋭くて重厚な音楽も、すべてが素晴らしい。かっこよすぎてめちゃくちゃ興奮する。やや冗長に感じていた前半の一部も、このために必要だったんだと思うと監督がすごすぎる。
この映画を観て、縄張り意識が強く、空を自由に移動して目が合ったものを攻撃する円盤に対して、インターネットの“ヤバい人”を重ねた。対抗手段は、目を合わせず存在に気づかせないことと、やられたときには証拠の写真を撮ること。オレたちのいるここはヘイウッド牧場で、気づかれてないだけですぐそこに化け物はいる。
小ネタで、OJの妹がバイクで止るときにAKIRAだったのは唐突だったからウケた。