夏日

大怪獣のあとしまつの夏日のネタバレレビュー・内容・結末

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

「だれが、後始末すんのかなあ?」


劇場公開初日から低評価ばかりだった問題作。怪獣が倒された後を描くという今までなかった物語に惹かれて、映画館で観ようと思っていたが結局観なかった。あまりにも口コミが罵詈雑言だらけだったので。

怪獣を物語の主軸にしながら、描きたかったものは恋愛らしい。しかもそこに、物語とは無関係な笑えないギャグや不快な下ネタが入ってくる。これは「怪獣映画に真剣に向き合ってない」と言われても仕方ないだろうなと思った。

主人公が2年間不在の間に、結婚した同僚と元カノの三角関係を描いていたが怪獣がいなくても成り立つ。この三角関係がなくても怪獣映画は成り立つ。事前の情報からどれだけの人が恋愛映画を期待して観に行ったのか疑問だし、怪獣映画を観たかった人にとってはミスマッチだと思う。

人類がお互いに足を引っ張り合って、仕方なくウルトラマン(のような存在)が解決するラストは個人的に大嫌い。ウルトラマンはそんな人類を助けない。

たしかに観たかった内容ではないけど、なにもかもすべてダメダメというほどの映画ではなかったとも思う。みんなが叩いてるから叩いていい!になってるような気さえする。ゴミ映画、クソ映画、カス…、そこまで言うほどでもないと思う。

巨大怪獣が倒された後を描くという切り口はすごく面白いと思った。それに怪獣の造形や、はじめて怪獣の全身が登場するシーン、ボートから怪獣を見上げるシーンなど、ちゃんと力を入れてたりワクワクさせてくれたりする場面はあった。映像も俳優も悪くないし。

あと、どうしても『シン・ゴジラ』が大ヒットした後で、それを期待されるし、それと比べられるところはあったと思う。制作者側もけっこう意識してると思う場面が何箇所もあったし。期待が高すぎたゆえの低評価な側面もあると思う。想像以上に、日本人は怪獣映画が大好きなんだと思った。
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