10円様

NOPE/ノープの10円様のレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.4
 ジョーダンピール、シャマランとちょっと似ているなぁ。

 「ゲットアウト」の衝撃から本作で2作目。まだ見限るのは早いんだけど、ちょっとメッセージ性に重視しすぎてエンターテイメントって事を忘れてはいないかな?
 ゲットアウトからずっと言えるのはジョーダンピールは映画の根底に様々な人種差別問題等を取り込んでいると言う事。それは物語の内容ではなくて、シーンの一つ一つに取れている事だと思います。例えば今回、馬に乗って疾走するダニエルカルーヤは映画の原点を辿れば黒人から始まったというエピソードに裏付けをするもだしね。
 しかし「アス」でもそうだったんですが差別や社会問題なんて個人的にはちょっとどうでも良い話で、私は奇抜なホラーをピールに求めるあまり、拍子抜けしていうという自体になっているのです。
 実際のところ、ジョーダンピールは奇抜なホラーを作りたい監督なのか?と言わればそうでもないんだし、こっちが勝手に期待して、勝手に裏切られた気分になってるだけ。それは正にシャマランと一緒なんですよね。
 シックスセンスの衝撃を受けた人は、シャマランに大どんでん返しを期待するあまり、意にそぐわなかったためシャマランバッシングが始まってね。でもシャマランはちゃんと良いオチを付けてくれるんですよ。

 ただシャマランは題材が面白いんですよね。酷評ばかり食らった時代でさえ、他の人なら作らないような映画を作ってくれたし、追いかける価値は十分にあったんですが、直近2作のピールの監督映画を見ると、シャマランほどではないんですよね💦
 
 本作はUFOとの戦いの映画なんですが、まず本当UFOが出てきてくれて良かったです笑
 UFOと思いきや精神疾患系、スピリチュアル系。なんてオチに走る映画もあるけど筋はきちんと通してくれて助かりました。しかもUFO映画って大都市に飛来して街を攻撃しまくるってのが大抵の映画ですが、荒野の真ん中で姿が見えるのか見えないのか…ってのか不気味で良かったですよね。そしてUFOを生物のように見せる演出もグッドだったと思います。
 UFOの黒い穴。あれは目だとすると、あれを観た人間が吸い込まれてしまいます。冒頭ので出てきた馬に鏡を見せたら馬が暴れてしまった。チンパンジーと目を合わせなかったから子役は殺されなかった…という何気ない伏線はこのためだったのではないでしょうか。つまりあのUFOはそんなに知的レベルは高くない、まだ赤ん坊のような生物なのかもしれません…無機質なものを生命として扱うあたりは「アス」にも通じるところがあり、逆に有機体を無機質のように見せるのは「ゲットアウト」のようでしたね〜

 登場人物は少ないながらも、こじんまりと未知なる者へとの戦いが静かに描かれていて、ストーリーもまあホラーとしては良かったんですが、あまりにもチンタラしていた感はあったかなぁ😓途中3回くらい睡魔に襲われたのは認めよう。

 ジョーダンピールの次回作?そりゃもちろん期待しますよ。シャマランだってずっと気にかけてきたんですもん。
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