10円様

デューン 砂の惑星PART2の10円様のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.9
 part1が公開された時、スタートの興行収入が製作陣側にとってあまり良くないものであった。part2はpart1の興行収入次第でゴーサインが出る。という話があったため、当初は黄色信号だと思われました。しかし興行に反してよりも評価がとても高く、それに準じて興行も伸び、ついにpart2が公開!そして公開してみるやいなやpart1の興行収入を大幅に上回る数字でした。近年続くmarvelやDC映画とは真逆ですね!ただしこれはpart2とはあるものの、続編ではありません。二つ合わせて「砂の惑星」なのです。なのでpart2の企画が頓挫した場合は、未完の大作となった…というわけですね。ひやひやですわ😅

というかpart3もありそうな感じ?最初は2部作構成って言ってましたけどどうも3作目で終わりのようですね(監督談)
でも監督はpart1のあとすぐにpart2の撮影をしたそうで疲れてるとの事。また別の映画挟んでpart3かな?先はまだまだだ。

この興行収入だったらもうゴーサイン出てるかもしれませんね。確かにリンチ版はフェイドラウサと決闘するあとも物語は続いていましたが、リンチ版って原作全6巻を纏めたのかな?前にも書いたけど、今リンチ版を復讐する気には全くなれない…

 part1の時も書いたんですがリンチ版の砂の惑星は本当に学芸会感があり、役者もやる気あるのか?監督も作る気あるのか?という感じでした。いくら技術が現代より劣っているとしてもまあ酷いこと。リンチ、生涯の汚点なんでは?
 主演のカイルマクランはもちろん評価されず…しかしその後のリンチの作品「ブルーベルベット」「ツインピークス」でブレイクする。
やっぱりこの映画に手を出したリンチが悪い。リンチはSF大作撮ってよい監督ではないのだ。土俵はしっかり持ってるんだから。

 ヴィルヌーヴ版とリンチ版を比べて今作で一番違いがあったところはフェイドラウサですね。ヴィルヌーヴは彼を死神のような、権力を遊びで使うような不気味であり妙なカリスマを持つ怪人として描きました。それに応えたエルビスプレスリー。いやオースティンバトラーは見事なものでした。それに対してリンチ版ではスティングが演じていて、かなりのインパクトはあるんですがヘラヘラしたお兄ちゃんって感じで決闘シーンも見ていられないくらいヘボい…たぶんこのシーンがリンチ版DUNEを私の中で駄作と認定させたのでしょう。

 part1のベストアクターはモモアマン(ダンカンアイダホ。名前もベストだ!)でしたが、part2はオースティンバトラーです!悲しい事に出番が少ないですがインパクトは絶大ですね。

 リンチ版では感じませんでしたが砂漠の民フレメンが強すぎです。砂漠での闘いを熟知しているし砂虫を操って特攻できるし、単純に戦闘力が凄まじいし、銃もミサイルも撃ってしまうという…何でこんな最強民族をたおせると思ってたんだ?砂煙の中で1人1人敵が急に倒されて行くとか、砂煙の中に敵が突っ込んで行って煙から出てきたのはフレメンだったとか、「砂煙」を使った演出は、フレメンの未知の力。すなわち信教の象徴で、香料しか欲しがってない、神と無縁の輩には正に未知の敵なんですよね。

 しかしまあ、ヴィルヌーヴ監督の色彩のセンスは素晴らしく、暗闇のシーンで暗順応した目に次のシーンでいきなり真っ白な砂漠!(眩しい!)その後には黄色い砂漠で目に優しい。フェイドラウサとレトアトレイデスの闘技場のシーンのモノクロ映像も別の世界の出来事と感じてしまう没入感。

 前作より11分長いのにやはり長さを感じませんでした!
 ちなみにトイレも我慢でしました!
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