10円様

怪物の10円様のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
3.7
 一応日本アカデミー賞が発表される前に観ておこうと思ったら、もう発表されてた😅
 あんまり興味がない賞レースだから頭から抜けてました。受賞結果はやっぱり日アカ的なもんで、何で同じ人ばっかりに受賞させるんだ?とげんなり…ヴィムヴェンダースが監督賞とってましたけど、逆に恥ずかしい…
 ゴジラが受賞したのは海外でのヒットが要因なのかぁ?日アカもちょっとだけワールドワイドを意識したと思えるのですがやってる事がちゃっちいです💦国内だけで盛り上げる分には華やかで良いんですけどね。

 日アカは身内を労う賞とは呼ばれていますが調べていくと、投票権を持った人が「映画の芸術性」ではなく「商業性」で投票をしているからと言うものがあるらしいです。しかも最終5作品までの候補映画数、今回で言えば日本映画のみで360本くらいあったらいしですが、投票権利者がどれくらいの映画を観てるかと言うと20本〜100本くらいらしい。その中で一番商業的日本盛り上げた作品に投票するのが多いようですね。まあ「ドライブマイカー」とか「万引き家族」とか、世界で認められた作品はそれに関係なく投票しますが。投票者のなかの何%かに評論家がいればまた違ったかも。
 ちなみに録音や音響とかの技術部門はその手の専門家が会員にいないんで、「これが良いんじゃない?」って会社に言われた事をそのままやる事が多いらしい。別に業務命令とかじゃないですが、専門家以外の人が良し悪しを分かるわけないですからね。ここがアメリカのアカデミー賞と違うところです。

 なので映画賞で観る作品を決めるなら「日本プロフェッショナル映画大賞」とか「ブルーリボン賞」「キネマ旬報」が良いと思います。
 あ、また日アカの悪口を書いてしまった💦

 ミステリー要素が強い本作品。内容もテーマも是枝監督っぽくてとても好きです。
 最初は早織以外の人間が全員不気味で、どこか別の世界の物語なような感じもしますが、それぞれの登場人物のパートに移っていくたびに真相が明らかになり、その誤解が解けぬまま進んでいくと言うね…
 
 「怪物誰だ?」
 怪物なんて誰もいなかったのに、真実を各々の感情や理由で隠匿しようすると、それが別の人には怪物に見えてしまうという恐ろしさ。
 学校教育、母子家庭、性の問題など是枝監督らいし社会的テーマを盛り込んでいましたが、それを社会の課題として全面的に出しているのではく。個人の課題としてコンパクトに納めているという点はとても身近に感じるものがあり、それが逆に怖かったです…

 何だかんだいって是枝監督は冒険者だよなぁ。こんな映画を今作るなんて。
 変な話なんですけど、日アカ獲らなくてよかったです。

 今回は日アカの悪口で終わっちゃいましたね💦日アカを楽しみにしている人たちには申し訳ないです😣
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