10円様

オッペンハイマーの10円様のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.9
 3時間の長尺を感じさせないのが凄い!
 
 ほんとなら劇場映画は当日に行くってのが私のこだわりなんですが、仕事が忙しくなり毎日23時帰り。金曜日は早く帰る!って意気込んでましたが結局間に合わずです。布団で寝ると朝起きれないからフローリングで寝る毎日。疲れは取れず、こんな状態で観ても頭入らないような映画なので、まあこれはこれで良しとしよう。

 「オッペンハイマー」、当然のようにアカデミー賞受賞ですね!最近はインディーズや低予算映画が作品賞もらう事が多かったので、大作が受賞すると映画界は盛り上がりますね😊「バービー」のレビューでも書いたけど、「オッペンハイマー」の興行収入の数%は「バービー」が満席だったのでこっちを観たと調査結果が出てましたね笑

 でも何はともあれ作品賞受賞おめでとうございます!あとクリストファーノーランも受賞できて良かったです!
 そういやロバート・ダウニー・Jrとエマストーン。受賞式での行為が炎上してしまいましたね💦
 日本での上映が割と早くて良かったです。

割と多くの人が「オッペンハイマー」を観る前にNetflixの「アインシュタインと原爆」を観て予習しているようで、私もその1人です。劇中であのアインシュタインですら「原子力爆弾は机上の空論で実現できるものではない」と言ってました。

 主に科学のお話なので量子力学とか物理学の用語や理論は勿論全く理解できませんが、何となく勢いで見ることができました。科学者の熱量と冷静さって個人個人で違うのでその差異が面白いですよね。
 それを考えるとノーランも正に映画の科学者的な一面もあって、「映像の魔術師」と呼ばれるくらいどの作品もCGが凄いんですが、過去と現代を行き来する手法はメリハリがあります。しかし話が途中でややこしくなるという鑑賞者の鑑賞する能力に委ねられるところはあって、私は付いて行けないんですよね。
 しかし本作の鑑賞者を飽きさせない手法は物語よ構成を3つに分割してそれを概ね1時間で完了させてくれているところでした。「原爆を作れるか」→「マンハッタン計画」→「オッペンハイマー事件」と非常に分かりやすく進んで行きました。特にマンハッタン計画での高揚感からオッペンハイマー事件のスリリングな展開は、ノーランのハリウッドの第一線のエンターテイメント監督であると実感させられました。

 ノーランは「インターステラー」とか「インセプション」が評価されているかCGの使い手と思ってしまうけど、もっと昔は「メメント」「インソムニア」などカット割トリックを使った映画を作っているのだ。

 そして本作の役者達なんですがキリアンマーフィーがめちゃくちゃ良かったです!
アイルランド出身では初のオスカー受賞者のようですね。彼はどうもバッドマンビギンズのオーディションに落ちてしまったんですが、ノーランが彼を気に入りスケアクロウとして使ったようです。そこからが彼がノーランファミリーに入ったのかな?
 正直これまでどの映画で彼を観てもあんまパッとしない俳優だったんですが、反省…
けっこうな演技をしてましたね。

 役者も大物が脇役としてバンバン出てくるんですが、最後のトルーマン大統領!あれはビックリしました!メイクで顔が違うけど目と口で誰か分かってしまうという!特殊メイクで国家元首演じるの2回目?今回はメイク一回きりですよね?出番あれだけだし。

 で、けっこう評価が分かれる所は広島と長崎の現状を見せてこない点ですよね。私個人は別に観せなくて良いかなぁと思いました。
 これは伝記映画であって反戦映画ではない。惨状を見せると話がそれるリスクがあるんです。オッペンハイマーの原爆開発の事実。その後の苦悩。それだけで良いと思いました!

 ノーラン、次はどんな作品作ってくれるでしょうか?最近あんま作らないですからね💦
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