みーゆー

アイ・アム まきもとのみーゆーのレビュー・感想・評価

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)
3.8
粘り勝ち


「頑張った、頑張った」誰に聞いてもらえるわけでもないのに、そんな口癖なわけないじゃない?

孤独死という現実を改めて感じてしまった。お葬式には誰も来ない、そんな未来もあるんだろうな。もっとコメディだと踏んでいたのに、「個人」に特化され尽くした世の中にはまだまだ難しいことがたくさんありすぎる。厄介だ。

特殊なくらい察しが悪い。視野も狭いし一度自分の世界に入ったら最後「牧本こう〜なっちゃってました!」普通に職場にいたらちょっと苦手かも。でもそんな牧本の毎日を眺めてたら、変な人だけど良い人なんだろうなぁ。きっとこんな感情に変わってた。

特別説明するわけでもないのに、牧本の感情が分かりやすく変動した瞬間、なんだか心があったかくなった。丁寧にご飯を食べる、たまには温かいお茶でも淹れてみる、ちょっとしたことで幸せでも感じてくれてんのかな。牧本の気持ちが誰かに伝わってるといいのにな、阿部サダヲの演技はいつだって心が動かされる。

お見送りをするという行動、家族以外の誰がやってくれるんだよな。お金出して時間割いて他人のためにやれんのかよ。と思うけど牧本がいなかったらと思うとラストシーンにやっぱり感情が特段に入る。しんどい。「頑張った」なんてやっぱ自分に言ったって良いんだよ、人に言ってもらえるならそれだけで満点。

誰かのために何が出来るか分かんないけど、
人に丁寧に接することができる人間ではありたいなぁ。頑張った〜!頑張った!ってわたしも自分で褒めるよ!なあ!まきもと!