shibamike

特急にっぽんのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

特急にっぽん(1961年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

東京~♪京都、大~阪~♪ううううー♪ポポ♪

最後の無音シーンが抜群にカッコ良かった。あんなのアリなんだ、と驚いた。
が、全体的にはそこまでハマらなかった。

東京発大阪行きの特急列車が舞台となるガーエー。
今でこそ新幹線に乗って瞳を閉じていれば、2時間30分とかで東京~大阪間は行ったり来たりできるが、この映画では所要時間6時間以上とのこと。特急列車のスピードも時速100km程度と現代の我々からすると歯ごたえの無い数字。離乳食数字。
しかし!この特急列車むちゃくちゃ楽しそうであった。まず、列車なのにスチュワーデスがいる。お菓子やお茶を売るお姉さんとは別で、乗客の荷物を荷棚に上げたり、切符の確認を車掌さんと一緒にしたりする(この映画の時点で存在価値がまったく無さそうなほど、何にもしていなかったので、列車内スチュワーデスの絶滅は必然であらう)。

そして、長時間の旅となるためか、食堂車が用意されている。自分は新幹線に乗ってもせいぜいちょっと高めの駅弁を座席テーブルでさも有り難そうに食べるくらいしかしたこと無いので、食堂車憧れる。わざわざコック達が列車内でフライパンを振り回して調理しているなんてイカす。

立派なシェフになることを夢見ている列車料理人のフランキー堺。本作でのフランキー堺は人を食ったような感じのキャラではなく、結構実直な青年。自分の好きな感じのフランキー堺では無かった。バッグス・バニーみたいに世の中を馬鹿にしたような感じのフランキー堺が好き。バッグス堺。フランキー・バニー。

列車というと細長い。このガーエーでは細長い列車の形状を活かし、延々と画面が横移動するという洒落っ気を見せてくれる。おっちょこちょい達のドタバタは早送り再生。最後には、フランキーと団のロマンスすら無音じたばたのみで描き切り、そのまま終わる。このラストは本当に洒落ていたし、カッコ良かった。

団体客が狂ったように歌いまくる「有り難や節」の狂気!作詞が浜口庫之助と分かり、こいつどんだけ名曲作ってんねん、と愕然。

あの酔っぱらいのおっさんは結局なんだったのか。あと政界の要人が乗車というのも別に何とも無かった気がするし、肩が透かされた。


ニィイ、どったの先生?
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