紫

さかなのこの紫のネタバレレビュー・内容・結末

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 約2時間半の上映時間だったが、あっという間に時間が過ぎてしまうくらい、面白く心温まるやさしい作品だった。

 (勿論様々な脚色していると思うが)この映画の登場人物はほぼ全員良い人で、観終わった後は幸福感に包まれた。

 終盤の台詞にある「『好きに勝るものは無し』でギョざいます!」この言葉にさかなクンの半生がギュッと詰め込まれている。
 自分の "好き"を仕事にする事って、本当に難しく成功している人はほんの僅かだけど、自分の気持ちに正直であって良いのだと思わせてくれる作品だった。

 四六時中おさかなさんを考えてしまうくらい、“好き”に一直線なミー坊を否定せず、ずっと温かく見守り続けるお母さんの姿にウルッときた。
 もし私が誰かの親になった時は、ミー坊のお母さんのように「“好き”な気持ち」を大切にする人になりたいと改めて感じた。

 のんが演じるミー坊(さかなクン)は、本当にミー坊そのままで性別等異なっても違和感なく、話し方や歩き方など沢山研究されたんだろうなと思わせるような演技。海を潜る場面では朝ドラ「あまちゃん」を彷彿とさせるような、キラキラした瞳の輝かしい姿が印象的だった。
 個人的に、ミー坊の幼少期を演じた西村瑞季ちゃんが「さかなクンってこんな子だったんだろうな」と思わせるような不思議で愛らしさのあるキャラクターで素敵だった。

 さかなクンがテレビ出演のきっかけとなった「TVチャンピオン」の話は今回触れられていなかったので、当時の視聴者としては少しでも紹介されていたら良かったな〜と思った。

 本作品のベースとなった『さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜』も読んでみたいと思う。
紫