伏暗

“それ”がいる森の伏暗のレビュー・感想・評価

“それ”がいる森(2022年製作の映画)
1.0
低予算かつ低クオリティのCGと魅力のないキャラクター、薄っぺらいドラマと捻りのない脚本。百万回言われてると思うが、これでいけると思った製作陣が一番ホラー。とはいえそこは中田秀夫、流石の……流石の……やべぇ褒めるところがねぇ。この後に観た『禁じられた遊び』がそれなりにマシだっただけに本作のダメっぷりが際立つ。中田秀夫をもってしても、どうにもならないものはどうにもならない。

もちろん本作はティーン向けのジュブナイルホラーであり、「ホラー好きのおっさんはお呼びではない」という声もあるだろう。しかし劇場で1000円だか払って本作を観させられる子どもたちの気持ちになってみて欲しい。同じ値段でハリウッドの大作ヒーロー映画どころか、ゴジラマイナスワンを見られる時代に、なにが楽しくて90年代以下のグレイ型を観なければならないのだ??Netflixで愛と熱意に溢れたストレンジャーシングスが観られるのに、なにを好き好んでよく分からない(演技が上手いかもよく分からない)タレント役者の頑張りを観なければならないのか……??

「いやこれはティーン向け!!」という甘えを発する前に、まずもって、令和のマセガキたちが「これ」を求めているかを猛省して欲しいし、駄作だとしても、せめてSUPER8くらいのクオリティには仕上げてほしい(どう足掻いても無理だろうが)。そもそも、本作をターゲットである子どもたちに見せて、「おっ!!かの懐かしき学校の怪談シリーズみてぇな雰囲気じゃん!!こういうの好きだねぇ〜!!」なんておっさんみたいなことになると思っているのだろうか。本作の出来では「あ〜ん、やっぱりホラー映画ってつまんねぇんだよな、ほんとコスパもタイパも最悪だわ〜」と一蹴されるしかない。もしかすると、本作の対象年齢は、とことんおっさん向け、もしくは未就学児向けなのだろうか?そういう話であれば、まぁ及第点かもしれない。

センチメンタルだのノスタルジーだのはもうお腹いっぱいですので、次は、ティーンが一週間はトイレに行けなくなるようなエグいビビらせをお待ちしております。
伏暗

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