みーゆー

ザリガニの鳴くところのみーゆーのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.9
レッテル


生まれた時から貼られてるなんてたまったもんじゃないなと思うけど、割とありふれてしまってる現状なんだろうな。それの最悪の最悪が重なりすぎてしまっただけで。

自由?気ままで楽?ふざけんな、それは「暖かい家と暖かいご飯、服も持ち物も全て困ることない読み書きをきちんと教えてもらった過程」があるからそう思うんだよ。いつまでもそういうやつは決まってないものをねだる。当たり前は当たり前じゃないのにね。

血も繋がってないのに「宝物」と呼んでくれる夫婦がいてくれて本当によかった。とあるシーンで現れた瞬間ヒーローかと思ったもんね。涙めちゃくちゃ出たよ。きっと「世間体」とかいろんなこともあったんだとおもう。それでも、「小さきもの」を守れないということには全部ちっぽけな理由すぎるんだろうな。わたしもそうでありたいよ。

自然のことを「ずっと一緒にいる友達」だと表現できるのは素晴らしいことだなと思う。困ってる時、躓いたとき、悲しいとき、結局いつも1人じゃないと皮一枚引き止めてくれたのがこの「湿地」だったんだろうか。人間って簡単に裏切るもんね、でも最後に助けて引っ張り上げられるのも人間か。

「湿地」であってすぐそばには「沼地」がある。
人間もわりとそんなもんだろうなあ。いつも明るいと思ってるあの子にもきっと心が曇る日だってある。本当の自分があの地で見せられることができたのなら最期には何を思ったんだろう。どうかしあわせであれ。