雨宮はな

デジタルデトックス 大停電の夜にの雨宮はなのレビュー・感想・評価

3.0
手段と目的を取り違えるなって話。
それから、人間関係の構築においてデジタルは遠回りか落とし穴ってところ。

題材はとても良いけど、出てくる人物たちや物語はちょっと微妙。
とくに夫の友人のジャクソンは最低なタイプ。
自分の顔ではアプリでさえ出会いがないからとモデルの写真を使うし、「無職のスクーター男がアプリで出会えると思うか?」と履歴を盛る。
盛られた履歴に自分がなるための努力をするわけでも、無職のスクーター男を好きになってくれる女を探すでもない。

タウニーさんのような人にはつらい時代だと思う。
「昔は住人みんなと友達だったわ。でも、年中出たり入ったりして、出て行けば私に連絡なんてしない。最初から距離をおいていればさみしくならないでしょ」

ラルフさんの言うことが真実だ。
私たちが生きているのはデジタル上じゃない、サイバーライフじゃないことを思い出させてくれる。
「薔薇のかおりを捉えた写真はみたことがない。暖炉の心地よさはそこにいないとわからない。こういうのを“家”というんだ」
雨宮はな

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